今回の記事をもって、私ゆきこはブログ部を卒業です。 最後となるこの記事に何を書こうかなぁと考えて、大学生活を振り返って私が一番伝えたいなと思ったことを書くことにしました。 一言でいうなら、「人生を変える出会いはいつどこで起こるかわからない」ってことです。 私は短大に行っていましたが、実は、はじめは四年制大学を目指していたんです。 だけど、受験を甘くみてあえなく挫折。とりあえず短大へ…程度の気持ちで短大に行ったのです(今だから言える 苦笑) だけど、その短大で、私の人生が大きく変わったことは紛れもない事実。 短大へ入った当初は、卒業したらもう就職しようと思っていて、編入のことなんて考えていませんでした。 今の私があるのは、短大の恩師と親友のおかげなのです。 研究する面白さと編入への道を示してくださった恩師。編入受験やあらゆる面で私を励ましてくれた親友。 この出会いがなければ、きっと私は、今この記事を書いていない。 感謝してもしきれないくらいです。こんな私が出来る唯一の恩返しといえば、私が目指す道を精進し続けることだと思っています。 もし、はじめの希望通りに四大に入っていたら、きっとまったく別の出会いがあって、今とはまったく別の将来だったでしょう。だから本当に 「人生を変える出会いはいつどこで起こるかわからない」って思うんです。 逆にいえば、「どこででもそんな出会いは起こり得る」ってこと。それが希望どおりの場所じゃなくても…。 大切なのは、自分が前を向いているかどうか。 後ろばかり見ていたら、どんなに良いチャンスがあっても、たぶん見逃してしまうから。 常にポジティブでいるなんて不可能に近いことではあるけれど。 短大や本学での学生生活で、楽しいことはもちろんたくさんあったけど、大変なことや、時にもう大学をやめようと思ったこともあります。 さまざまな葛藤や、納得いかないことでどうしようもない気持ちになる時、受け入れ難いことを受け入れなければならない時、心の中に浮かんでくる言葉があります。 変えられないものを受け容れる心の静けさと 変えられるものを変える勇気と その両者を見分ける英知をお与え下さい ミッション系だった短大で知った言葉ですが、偉人や聖人たちが残す言葉というのは、やはり普遍的な説得力と、重みがあるなとつくづく感じます。 もちろん、この言葉を思い浮かべたって、すぐに悟りきった気持ちにはなれないし、嫌なものは嫌だ!と気持ちは変わらないことも多いけれど、それでも一旦、「冷静に自分をみる目」を思い出させてくれる。 何が嫌なのか、自分はどこまで許せて、どこまで認められないのか…。 大学だけじゃなく、日常の中で、理不尽なことや思い通りにいかないことなんてたくさんあって。 これから先もそういうことがある度に、怒ったり、悲しんだり、へこんだりするんだろうけれど… 結局、人との出会いや自分に起こる様々なことを、自分がどう受け止めるのか。 どんな時でも、すべてに繋がる可能性は自分自身の中にあるから。 それを活かせるかどうかも自分次第。 教育実習の時、最後に生徒たちにこんな言葉を残したのを思い出します。 「何か楽しいことが起こらないかなって待っているよりも、目の前のことをどうやって楽しもうかなって考える人になった方がいい。いつ来るか分からないものを待っているより、自分から進んで楽しむ努力をする人になった方がHappyだよ!」 日本女子大学に編入して、ここでも尊敬する先生や大切な友達、先輩、後輩に出会いました。 挫折をしたり、回り道をしたりして、失敗したかも…と思った出来事や選択もあるけれど、それがあってこそ出会えた人がいて、今の私があるから。 無駄ではなかった。 そう思える今がある。とても幸せなことです。 そして今、新たに思うことは、目指す場所への道は、決して1つではなかったということ。 私は結果として、一番はじめの希望通り、四年制大学で学ぶことができたのだから。 思い込みという闇に囚われて、自分を追いつめていたのは私自身だった。 広い視野の光で照らしてみれば、目的地への道は1つだけじゃなくて他にもあるんだって、大学生活の中で知ったのです。 私にとっての大学4年間は、たくさんのものが詰まった宝石箱のような、尊い時間でした。 4月から、私も、そしてこれを読んでくださっている皆さんも、何かしら新たなスタートを切ると思います。 日々起こる出来事の中に散りばめられた、キラキラしたチャンスの欠けらたちを、多く見つけられますように。 振り返った時、「うん。これで良かったんだ!」と思える『今』を作れるように。 私も前を向いて進んで行きたいと思います。 最後に、ブログ部のメンバーとして、自分の体験や思いを伝えられる機会を与えられたことに感謝しています。 つたない私の記事を読んでくださった皆さま、本当にありがとうございました! これからもブログ部をよろしくお願いします☆ ゆきこ
2008,03,30, Sun 19:07
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突拍子もないタイトルですが(笑)
実はこの間、世田谷文学館に初めて行って来たのです。 一番の目的は、常設展に今月まで公開しているムットーニの作品を見るためです。 「ムットーニ」こと武藤政彦氏は自動人形師です。彼の作る自動人形の世界は、独特の美があって以前から好きだったのですが、作品を生で見る機会がなかなかなくって。。。 今回は文学館の展示とのコラボで、世田谷の文学者の作品を自動人形で表現したものでした。 萩原朔太郎の『猫町』、中島敦の『山月記』など6点が展示され、時間ごとに上映してくれました。 下はポストカードを撮ったモノ 萩原朔太郎『猫町』 中島敦『山月記』 さてさて本題。そう、企画展で、「永井荷風のシングル・シンプルライフ」をやっていたのです。これがなかなか面白くって! そもそも、ナガイカフウって誰??と思われた方もいるかも知れません。高校では、名前くらいは触れても漱石や鷗外ほどにメジャーな存在ではないと思います。 永井荷風は明治30年代に、『地獄の花』という自然主義の小説から出発した人です。 それが、アメリカやフランスで近代社会と芸術に触れ、耽美的な作品を生み出していきます。『あめりか物語』『ふらんす物語』『すみだ川』『濹東綺譚』などの作品がありますが、実は私が読んだことがあるのは『濹東綺譚』だけです でも今回の展示で、荷風の生き方とか、生活スタイルは素敵だなと感じました。 荷風流のシングル・シンプルライフの十箇条っていうのがあって、以下のようなものでした。 1、毎日、ブログ(日記)を更新 2、スイーツはひとりじめ 3、ウォーキング(散歩)で身体を鍛える 4、ガーデニングで自然に触れる 5、シンプルクッキングで栄養のバランスをとる 6、趣味はカメラ 7、気に入ったレストランは徹底活用 8、金銭管理はしっかりと 9、若い異性とつきあう 10、読書は長い友達 これらを実践していた様子は、四十数年に及ぶ日記『断腸亭日乗』から窺えます。スケッチも入っていて、文字の達筆さと絵の上手さにも驚きでした。 しかし、なんて今風な生活なんだ!と思いませんか? 現代の私たちが見習いたい部分がたくさんある。 荷風は、お正月の朝をショコラとクロワッサンで迎えるというくらいの人だから、本当に西洋的な生活を好んでいたのでしょう。 とても魅力的で面白い作家だなと改めて思ったので、他の作品にも手をのばしてみようと思います。 4月から、本学日文へ入学される方も、この春休みに興味のある本など、たくさんの作品に触れてみることをオススメします! 文学館などで作者について知るのも面白いですよ。 私も平安時代の作品を主に学んでいるので、ついついそちらばかりに傾倒してしまいがちで、その他の時代の作品に疎くなるのですが、こういう企画展を見ると、その作者が今までより身近に感じられるので、興味を掻き立てられます。 知りたい!とか、学んでみたい!という意欲は、どれだけその対象を身近に引き付けられるかによると私は思っています。 好きな人のことなら、もっと知りたいって思うのと同じようなものですね(笑) 春のうららかな散歩日和には、文学館や色々な展示を利用してみて下さいね そして、文学館でのサプライズな出来事。 たまたま、日経新聞が企画展を取材に来ていたんです。そのため、来客者が展示を見ている様子を写真に撮っていました。何回かシャッターを切っている音は聞こえてきましたが、私は展示に夢中だったので(笑)あまり気にせず。 ところが、展示を十分楽しんで、会場を出ようとしたところで、日経新聞の記者から「この展示の感想を記事にしたいので、ご協力頂けませんか。」と声をかけられたのです。 突然でびっくりはしましたが、「私の感想で役に立つかは分からないけれど、それで良ければ構いません。」と承諾。 そもそもはムットーニ目当てできたこと。でも荷風の展示を見て、自分が抱いていた荷風のイメージと違ったこと。特に生活スタイルについては、見習いたいものがあること。『断腸亭日乗』が荷風のリアルな日常を伝えていて面白かったことなどを、記者からの質問に答えるという形で感想として伝えました。 さてさて、どんな記事になっていることやら。。。 ***オマケ*** 文学館でお買いあげの品々
2008,03,16, Sun 20:56
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~前回までのあらすじ~
豆本職人ゆきこは、先生への贈り物としてブログ部メンバーのメッセージを集めた豆本を製作。「梅」と「赤」のイメージで、約1年振りに職人仕事をした。そのため、まぬけなミスから表紙と見返しを作り直すというアクシデントに見舞われながらも、どうにか豆本を作り続けた。 ・・・そして・・・ つ い に 豆本完成! お待たせ致しました。豆本お披露目です! パンパ カ パ ン パ ン パ ーー ン まずは函ね。函。 白地に紅白の梅の和紙とピンクに白梅の和紙、どちらも使ってみました! 実はどちらの和紙がいいか、3日くらい考えた(笑) 最終的に両方使用の豪華バージョンに決定! そして、函を開けると・・・・ ジャジャーン! 濃紅の表紙の豆本が登場!可愛いでしょ? 例の一番時間をかけ、なおかつ作り直した見返しはというとコレだ☆ 綺麗に仕上がっているでしょ ちょっぴりお見せしちゃおう。中身はこんな感じ。 メンバー各々の個性が出るよに背景や素材をつけました! メンバーが飼っているニャンコの写真を入れてみたり・・・ *-*-*-*-*-*-*-*-* いかがでしたでしょうか。豆本職人ゆきこの職人ぶりは。 この豆本は、2月12日のちこちゃんの記事にあった、ブログ部お食事会で先生に直接お渡ししたのです。 とても喜んで頂けて、私も作って良かったなぁと心から思いました。 人に喜んでもらえるのって本当に嬉しい。 そして、途中の作り直しトラブルもあったので、12日のお食事会に間に合うことができてホント良かった!!という安堵もありました(苦笑) なぜって、ブログ部メンバーから先生へのメッセージを預かっておいて、それを容れるための大事な豆本が間に合わないなんてことになったら! みんなのメッセージが届かないことになってしまう。責任は重大です。 だから、無事豆本を完成させて、メッセージをお届けできたことも嬉しかったのです。 私にとって、豆本はほぼ人に贈るために作っています。 自分のためにわざわざ作ろうとはあまり思わない。 いつか『源氏物語豆本』とかは作ってみたいとは思うけど。。。 豆本って、おそらくあまりプレゼントされる機会ってないと思うんですよね。 周囲に趣味で豆本作っている人間(私みたいな 笑)がいない限り。だからこそ贈ったら喜んでもらえるかなぁって。 しかもそれは、その人のためだけに作られた、世界に1冊だけの本でもあるから。 特別な贈り物。私の中ではそんな存在だから。。。 大切な人のために、心を込めて作りたい。 これからもそう思いながら、職人としてますます腕を磨いていこうと思います。 おわり
2008,03,07, Fri 07:57
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プロフィールで豆本職人(自称)と名乗っておきながら、まだ豆本のことを詳しく記事にしていなかったので、今回から前編・後編の2本立てて、近ごろ贈り物として作った豆本のことをご紹介しちゃいます! 贈った相手はというと、このブログ部のアドバイザーをして下さっている先生です。お誕生日のお祝いと日頃の感謝の気持ちを込めて、ブログ部メンバーからメッセージを集めて、私が豆本に仕上げたのです。 ではでは、さっそく豆本作りの世界へ・・・・ *********************** 1、どんな豆本を作るかイメージを膨らませて、材料を選ぶ。 これはけっこう時間をかけて考えます。贈る相手のイメージとか、季節とか。。。 私がイメージしたのは、2月ということで「梅」。そして色は「赤」。 そんなイメージから、選んだ和紙や紙はこちら なんだか、十二単の襲の色目のようでしょ? あえて染めの色で表すと表紙は濃紅(こきくれない)。本文は中紅(なかくれない)→淡紅(うすくれない) →淡紅梅(うすこうばい) →さらに淡い淡紅梅 →鳥ノ子色(とりのこいろ)という感じでしょうか。 平安時代の色の配色はとても優美なので、色々参考になるのです。 和紙や紙の他にも、リボンや留め具用ビーズなど装飾品をそろえます。 すべてそろったら、私の大事な職人道具達の出番。 どれもこれも、身近な道具だけど。。。つまり身近なもので簡単に豆本は作れるのです。 2、豆本の本文を作る。 まず、本文用の紙を豆本サイズにカッターで切って、貼る。今回のは糸で綴じるタイプではなく、アコーディオン型の豆本なので、切って貼るだけで本文は出来ます。 接着剤は貼る素材によって、①ボンドを水でのばしたもの、②やまと糊、③スティック糊なんかに分けて使います。本文なので①で接着。 出来上がった本文に、みんなから集めたメッセージを編集してプリントアウトしておいたものを貼っていきます。このときは、しわにならないように③で接着。 その次に表紙を作ります。1ミリ厚の紙のボードを使って、ハードカバーに仕上げます。 また、今回は初めて表紙の見返しに「切り紙」の要素を入れようと、カッターでコツコツと花を切り抜きました。これが一番時間のかかる作業だったかも。 表紙と本文を接着して、表紙にタイトルを貼って、これで本は完成・・・のハズが・・・ 約1年ぶりに豆本を作ったので、トラブル発生! 今回作っていたのはリボン付きのギフト豆本。(以前作った同じタイプの豆本がこっそりプロフィールに載せてあります) こともあろうかそのリボンを付ける場所を間違えた! それに気づかず表紙も見返しも付けてしまったぁぁ!!・・・ チーン。 というわけで、表紙と見返しをはじめから作り直したのです。もちろん花の切り抜きも。 こんな私のマヌケなアクシデントで、完成が間に合うかどうかヒヤヒヤしながら急ピッチで作り直し、無事に豆本完成。ふぅ。しかも前のより、表紙も見返しも出来が良かった♪ うん。職人根性だ! 3、函を作る。 プレゼント用だもの。しかも先生に。やっぱり豪華な函にしなくっちゃ。 たぶん、一番力仕事なのはこの函作り。 表紙と同じ1ミリ厚のボードで作るんだけど、函の方が表紙よりも多くボードを使うので、それらをカッターで切っていくのはなかなか力と集中力がいるのです。気を抜くと曲がってしまうから、もの凄く真剣に魂込めてカットします。 そのため、すっかり製作中の画像を撮るのを忘れてて・・・ 完成品の画像までお楽しみってことで! 函に和紙を貼って、留め具を付けたら出来上がり。 函の和紙は、はじめは一種類の和紙を使おうと思っていたのだけど、たまたま別の素敵な和紙を見つけてしまって。悩んだ挙げ句、どちらも使うことに。 留め具は花形のビーズ。留め具の紐飾りに赤珊瑚の天然石をアクセントとして使用。 豪華な感じ。満足! という具合に、豆本作りは山あり谷あり(?)なのです。そのくせだいぶあっさり説明してしまったけど、さてさてどんな豆本が出来上がったのか。 それは次の記事までのお楽しみ。 つづく
2008,02,24, Sun 20:11
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