やっと梅雨入りしましたねー。そのわりに暑い日が続いていますが。
今回は、 そんなじめじめして室内にこもりがちな梅雨にこそ読書をしよう ということで(こじつけですが…)、最近私が読んだ本についてでも書いてみたいと思います。 今日生協に行ったら、文庫新書を3冊以上買うと15%OFFというセールをやってたし、何となくちょうどいい話題な気がします。 ①『ゲドを読む』 これはジブリ映画「ゲド戦記」のDVD宣伝の一環で無料配布されている本です。 文庫サイズとはいえ、書店で店員さんに「『ゲドを読む』ってありますか?」と聞かないともらえない非売品なので、生協のセールの話をした意味がないという……。 人類学者の中沢新一、心理学者の河合隼雄、作家の上橋菜穂子といった著名人がそれぞれの視点からの「ゲド戦記」論を書いていて「ホントに無料でいいんですか?」という感じに濃い本です。特に、中沢新一はけっこうな量を書いていてびっくりしました。 まだ無料配布してるのかはわかりませんが、是非本屋さんで聞いてみるのをオススメします! ②『ハンニバル・ライジング』(上下)T・ハリス著、高見浩訳、新潮社 これはけっこう最近映画でやってましたよね。私は映像で見るのが怖くて小説を読んで見た気になった小心者です。 『羊達の沈黙』などに出てくる殺人鬼ハンニバル・レクター博士の生い立ちから青年時代までが描かれた作品なのですが、何故かこの作品では「紫夫人」という女性が出てきたりハンニバルが琵琶を弾いていたり和歌を詠んでみたりと、やたらと日本が意識されています。 普通に「レクター博士はこうやって成長したのか」と真面目に読むのもいいですが、特に日本文学とか文化に関心のある人は「いや、それはどうだろう」と部分部分に突っ込みを入れつつ読んでみても面白いと思います。(けっこう性格の悪い読み方ではありますが…) ③『隼別王子の叛乱』田辺聖子著、中央公論社 タイトルを見て分かる方もいらっしゃるかもしれませんが、『古事記』下巻、仁徳天皇のときに隼別王と女鳥王が起こした叛乱をベースにして書かれた小説です。 1年の古典演習で『古事記』をやったのですが、そのときの先生が薦めて下さった本でした。最近実家の本棚から発掘したので読んでみました。 田辺さんが『古事記』をすごく読み込んで更にそれを自分なりに消化されていて、すごく面白かったです。個人的には隼別・女鳥の二人よりも、仁徳・磐之媛の二人の描かれ方がすごく印象に残りました。 ……生協やら本屋で買うのもよし。図書館で借りるのもよし。 皆さん、梅雨のこの機会に是非本を読みましょう☆
2007,06,18, Mon 22:02
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![]() 昨日のまいこ先輩の記事をみて。 そういえば、目白の図書館入口前にも紅梅が綺麗に咲いてますね。 紅梅には「忠実」という花言葉があるそうですが、これは道真の飛び梅伝説(太宰府に行った道真を梅が追いかけていったという話)から付けられたそうです。最近仕入れた豆知識。 今回は、再び(といって「フタタビ?」と思った方は「後宮のススメ。」という記事をご覧下さい)漫画紹介でもしてみようかと思います。 今回ご紹介するのは 『Daddy Long Legs』(勝田文、集英社 クイーンズコミックス) です。 短編集なのですが、1番のオススメはやっぱり表題作。 J・ウェブスターの『あしながおじさん』が原作です。 (「日文関係ねぇ…!」と思ったあなた。まあとりあえず続きを読んでみて下さい↓) 実はこの作品、『あしながおじさん』の舞台を日本の昭和初期に置き換えたもの。 おじさんの偽名は平井太郎、主人公ジュディは井出いつき…。なんて、原作を読んだ人には「そうきたか」という面白さがありますし、もちろん原作を知らない人も「昭和初期の女学生ってこんな感じだったのかな」というのをビジュアルで楽しめると思います。 与謝野晶子、とか小川未明、室生犀星なんて名前もさりげなく出てくるので、この辺りの文学が好きな人はちょっと嬉しくなれるかもしれません。 『あしながおじさん』自体可愛いお話というのもありますが、すごくほんわかしてあったかくなるとっても可愛い作品です。ぜひ機会があったら読んでみて下さい☆ …ちなみに今回こんなネタですが、今日のむとうは真面目に明日のテスト勉強をしておりました。苦笑。
2007,01,29, Mon 22:37
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急に、突発的に、本が読みたい衝動に駆られました。
家を出て駅まで歩いてる途中で、吸い込まれるようにBOOK OFFへ(笑) ささっと店内を歩いて回って、やはり足を止めてしまったのは山本文緒の名前のところ。 もう山本文緒は中毒なくらいたくさん漁って読んだけど、 まだ読んだことのない『僕のパジャマでおやすみ』という本があったゆえ。 即決でレジへ。 そして数時間後にはほろり。。。 こんなに山本文緒にやられていいものかっ!? また一気に読んでしまった。 なんでこんなに人を引きずりこませる文章を生み出すのだろう。 『ぼくのパジャマでおやすみ』は著者があとがきで言うとおり、POPな感じ。 山本文緒がよくやる、「人間の心をえぐりだしてる感じ」はこの作品ではしないけど、心が和む。 山本文緒が意図したとおりに私の心が勝手に動いている…。文章の力で。 山本文緒って本当にすごい。 私の運命の出会いの作家です。 ちなみに私が山本文緒作品で特にメガヒットしたのは、 『眠れるラプンツェル』『恋愛中毒』『みんないってしまう』。 暇があったら是非是非読んでみてくださいな☆ そしてめっさ私事ですが、今日で10代終わりです。 明日で私、ハタチになります。 去年の誕生日には、私が大好きだった中世文学史の講義があって、 その受講カードの本日のひとこと欄に「10代最後の年は和泉式部みたいに生きてみたいもんです」と書いた記憶が。 しかも今振り返れば若干達成できたような(笑) 20代は一体どんな10年になるんだろう。。。 そして中世と言えば、先週の記事に登場した演習恐怖に陥っていた友達が、 ようやく通常人として帰ってきました(^^;) やはり演習ははたから見てもすごい緊張していたけれど。 土曜日から演習発表の水曜日までゼリーのみしか食べる気がしなかったというほどの呪縛。 いや、彼女が勝手に見えない何かに縛られているだけだけれど。 とにかく無事帰還できてよかった。 これはもはや演習ダイエットと名付けられるのではないだろうか。 あぁ私も痩せられるのかなぁ。
2006,10,16, Mon 23:00
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![]() 『編集狂時代』 松田哲夫 新潮文庫 こんなためになる自伝なかなかない。 編集者は、本を作る裏方。その「本を作る裏方の本」があるのです! 王様のブランチでお馴染みコメンテーターの筑摩書房の松田哲夫氏の自伝。 「編集の基本は「集めて編む」事である」 本や印刷物が好きで、蒐集するだけではただのオタク。編む様になって初めて編集者なのだ、と実感できる。 編集者志望の私にとって目から鱗の言葉の数々。 自伝にありがちなお涙頂戴も苦労噺もありません。 それでいて、ただのサクセスストーリーに終わらない。 この一冊の自伝に込められるのは、松田哲夫という一人の男性が本とまっすぐ向き合い、愛した軌跡が描かれている。 古来から続く編集の仕事の中で、紙媒体の楽しみの可能性を切り開いて出版界を導いた 哲ちゃんの編集史は本好き必読の一冊! 将来本に関わる仕事がしてみたいな~なんて人は是非見て下さい。 沢山のヒントがこぼれてきます。 んでテッチャンブームの私は現在これ読んでます。 ![]() 『「本」に恋して』 松田哲夫 新潮社 イラスト:内澤旬子 まだ読み途中だからレビューはできないけれど、 とにかくタイトルからして愛こもりまくりでたまりません。 2200円、と本にかける値段としてはウッとなるところがございますが、 このあたたかみには替えられません。 買わずとも、本屋さんで是非手にとってみて下さいね! 本の裏舞台、実感できます。イラストがとにかくわかりやすく、 文章もやらわかいので読みやすいはずです。 本大好きなあいが、本大好きなテッチャンの本を紹介する 本気のレビューでした。
2006,03,21, Tue 15:50
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