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↑たいていの会社は今日が内定式みたいだよ、という話をしたら、ともよちゃんに言われた一言。
「幻想内定式?…って何すんの」
「何ってそりゃ、二人で内定を祝いあうんだよ!おめでとう内定おめでとう、いやーありがとうありがとうお互い頑張ったよねって感じで」
「そんなん我にかえったとき空しくなるだけじゃん。絶対嫌だよ」
「や、だからぁ。そうして二人でお互いの内定(幻想)を讃えあった後は飲みに行くんだってー」
「(それ、単に飲みたいだけなんじゃ…)で?」
「で、その勢いで面接に行く」
「何で?!それ色んな意味で駄目だろ」
教員志望のともよちゃん、私学の教員採用試験はまだまだこれからなんだそうな。
幻想というか妄想は程々にして、試験対策頑張って下さい。そして君の妄想に私を巻き込まないで下さい(笑)


妄想の話はこれ位にしておきまして、ひとつ現実の話もしようと思います。

じゃん。


そう、四年に迫りくる現実といったら卒論ですよ!
迫ると言ってもショッカーじゃないんです…って、このネタ分かる人いるのか?
最近、三年の後輩から
「先輩はいつ頃から卒論のこと考え始めたんですか?」
と聞かれることが多いので、この機会に何故私が卒論に『讃岐典侍日記』を選んだかを振り返ってみたいと思います。
興味ない人には、つまらないかもしれませんが…。

今から考えると、私の卒論の一番最初のきっかけは一年次に取った中古文学史でした。
『枕草子』の日記的章段は、作者の主人である定子の後宮での立場が厳しくなっていく現実に反して、「笑う」描写が多い。清少納言が書き留めておきたかったのは、暗く辛い事実でなくあくまで彼女の愛した「いつも明るい笑いの絶えない定子とその周辺」だったのではないか。
こんな話を授業で聞き
「そうか、書いてあること鵜呑みに出来ないんだ。日記って面白いなぁ」
と思った覚えがあります。

でもその時はまだ「日記いいかも」止まりで、二年になって取った演習が『枕草子』と中世の女流日記『とはずがたり』だったのはそんなに深く考えた結果ではありませんでした。
しかし、これも今思うと…ですが
近年の研究で、『とはずがたり』には随所に意図的な虚構が仕掛けられていることも明らかになってきている。そのような仕掛けによって二条が何を狙ったかという問題意識を持ちつつ、鎌倉期をしたたかに生きたひとりの女性の姿に迫りたい。
という講義概要の言葉に「うわー何だか楽しそう(だけど大変そう)!」とか反応してました。そういえば。

一方『枕草子』の演習では授業自体で日記的章段はあまりやらなかったのですが、夏のレポートを書くときに先生が授業中に紹介して下さった『枕草子周辺論』(下玉利百合子著、笠間書院、1986年)という本を読んで衝撃をうけました。
どんな本かというと、『枕草子』日記的章段と男性貴族の漢文日記(『権記』『御堂関白記』『小右記』だったかと)の記述とを突き合わせて考察していった論文。
めっちゃ分厚い(しかもさりげなく続編もある)上に文章にクセがあって、正直全部ちゃんと読みきれなかったんだけど、思わず
「絶対無理だと分かってはいるものの、卒論でこういうことやれたらいいな」
という妄想をしました。幻想内定式ほどぶっ飛んではいないが、これもある種の妄想であった…。
そんなこんなで、この時点で日記文学をやろうという気持ちがそこそこ固まり三年初めに『讃岐典侍日記』でいこうと決めたわけです。

じゃあ何故『讃岐典侍日記』だったのか。
というと、実はこれもきっかけは前述の中古文学史だったりします。
期末テストの一番最後に、こんな設問がありました。

扱った作品のうち印象深いと思われるものについて、自分の考えを述べなさい。

で、私の解答(今探したらテスト発掘しました。なんか恥ずかしいですがそのまま引用…)↓
『讃岐典侍日記』で、堀河天皇の死の様子が詳しく描かれている所が印象的だった。いつもなら立派な天皇が子供のようなわがままを言っていたり、そうかと思うと作者のためにひざを高くして大臣の目から隠してあげたり、死の直前には伊勢神宮を拝んだり経を唱えたりしている。そうした天皇の人間らしい所が描かれてるのは、天皇の側近くにいた女性が作者だったからこそかもしれないと思った。

二年の終わりになって具体的にどの作品をやろうか考え始めたとき、ふっと思い出したのが何故かこの答案でした。
よくよく思い返してみると、このテストって大学で最初にやった試験のうちの一つだったわけで、そう考えると何か感慨深いですね。

今、私の『讃岐典侍日記』についての認識はこの答案を書いた頃とは少し違ってきています。
それを卒論でどうまとめていこうかな、と日々頭を悩ませている最中です。

といいますか、実は今上手く文章化できないでいます。やっばい。
だから、今回の記事は何よりも自分を励ます目的でぐだぐだ書いていました(苦笑)
頑張れ自分。負けるな自分。初心を思い出せ!

〈こっそり追記〉
この記事を読んで「『讃岐典侍日記』ちょっと気になるわー」と思った人へ。
岩佐美代子さんの『宮廷文学のひそかな楽しみ』(文芸春秋、2001年)の中で取り上げられてるのが、わりと読みやすいんじゃないかと思います。よかったら是非。


2008,10,01, Wed 20:17
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