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志望していた企業に落ちた。

その会社に友達は受かっていた。

悔しくて、自分でもびっくりするくらいに発狂した。

そのまま39度の熱を出した。

もうこのまま虎になるんじゃないかと思った。

意識が朦朧とするなか、一人で病院に行った。

急性胃腸炎だった。

点滴を受けながら、病室の冷たい天井に聞く。

「なんで私はだめなの?」

天井は言う。

『お前はいいじゃないか。

落ち込んでも、上を向いて、深呼吸すれば、

また前を向いて進むことができる。

俺は、いつでも下を向いていることしかできないんだ。』

そっか。そうだよね。

『ボクなんて下にしか進めないよぅ~!』

私の体に向かって管を下りてくる点滴の液は言う。

そうだよね。

『甘えたこと言ってるとめった刺しにするぞ!!』

私の腕から半分顔を出した針が言う。

すっ、すんません。



シャーッ。カーテンが開く。

「はーい、もう帰って大丈夫ですよー!」


大丈夫。大丈夫。

来たときよりも少しだけ温かい病室を出て、わたしは、上を向いて大きく息を吸い、また前を向いて歩き出したのでした。

2008,03,17, Mon 23:19
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