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こんばんは。
もうすぐ寮を出ないといけないということで、今回は寮の思い出を書きたいと思います。

遡ること約2年。
4月のある日が入寮日でした。引っ越しの手伝いを終えた母と食事をした後、駅で別れるときに少し泣いてしまったのを覚えています。自分でも意外で、恥ずかしかったのですが、どうにも涙が止まりませんでした。
その日は、見慣れない天井はこんなに冷たげなものかと思いながら眠りました。

ビクビクしたわりに、私はホームシックどころか五月病にもなりませんでした。それは本当に、寮に入ったからなのだと思います。
初めてしゃべった人が、私の一番の仲良しになりました。同じ長野県出身で史学科ですが、気のやさしい、味のある子で、おバカな話も真面目な話もできる、気の置けない大事な友人です。
次に仲良くなったのは、新潟県出身のスタイル◎の美人さんです。彼女も史学科ですが、バイトは長続きするし、勉強もきちんきちんとこなす人で、みんなから愛される気さくな人です。
私は大抵この二人と一緒にいるので、よく史学科に間違えられます(笑)
キャラの濃い3人組なので、先輩にはスリートップと呼ばれていました。
な、なんのトップなんだ(苦笑)

一年生同士は毎朝みんなでご飯を食べるほどに打ちとけ、互いの部屋を行き来したり、一緒に授業へ行ったりするようになりました。
夏休みを前に帰省するのがさみしいほど、三か月、ともに過ごした時間は楽しいものでした。

先輩は、おしゃれな人、かわいい人ばかりで、非常にキチンとしていました。使ったあとすぐに食器を片付けなかったり、朝掃除に連続して出ていなかったりすると注意されることもありましたが、はじめのうちは言われないとわからないことのほうが多いので、私にはありがたかったです。
履修登録の相談や、授業の質問にも快く答えてくれて、とても頼りになりました。仲良く楽しくありながらも、やるときはやる、という線引きがあったことがとてもよかったし、それを維持することはなかなか難しいことだとも思いました。

冬になり、先輩達が退寮する時期が少しずつ近づいてくると、私たちは先輩に内緒で寄せ書きを作ることにしました。
色紙が回ってくるたび、それぞれの先輩との思い出がよみがえってきて、自然と言葉が浮かんでくるのでした。中でもついたくさん書いてしまったのは、よく注意された先輩に宛てたものでした。先輩との楽しい思い出のたくさんあったことに、改めて気づいたりしました。

春休み。
ひとり、また一人と先輩がいなくなっていく談話室は、がらんとしてさみしげでした。
友達を見送って、二階の窓からいつまでも手を振る先輩の姿に、来年の自分の姿を重ねようとしても、なんだかうまくいきませんでした。
ただ、残された一年間を大切に過ごしたいと思いました。

時期を同じくして、誕生日会をやってもらったこともありました。
12時前。自分の誕生日なんてすっかり忘れて洗面所に行こうとしたら、友達に談話室に連れていかれました。
クラッカーに「おめでとう!」の声。今思えばすごくベタなのですが、そのときはびっくりするやらうれしいやら。翌日はしゃぶしゃぶ食べ放題にカラオケで改めてお祝いしてもらいました。
私は一人っ子で、今までこんなに盛大にお祝いしてもらったことがなかったので、このにぎやかな誕生日会に妙に感動してしまい、企画してくれた数物科の友達に手紙まで書きました(笑)この子はすごく面白い子で、夜中に廊下で歌いまくるわ、人のご飯を横取りするわ…(^^;;)でも、明るくて、人を元気にさせる力を持った、愛すべき人なのです。
ちなみに今年の二十歳の誕生日も、友達と語りつくし、12時までカウントダウン、談話室にいる人全員にハッピーバースデーを歌ってもらいました。最高に幸せでした。翌日は焼き肉食べ放題、ゲームセンターで遊びましたよ。

思い出すのは楽しいことばかり。

仲良し3人組で美術館に行ったら、休館日に当たって、みんなで途方に暮れたこともありました。
一晩中寝ないで大貧民や人生ゲームをして白熱した日々もありました。
深夜の談話室で、二人カラオケしたこともありました。
テスト前に友達が持ってきたマンガにハマって徹夜。寝不足になりながらヒイヒイ言って勉強したこともありました。
休みの日に作ったギョーザを友達に半分以上食べられたこともありました。
「お母さん、チヂミ食べたいから作って」と言われてみんなに作ったこともありました。
帰省した人が多いのをいいことに、夕食にうなぎが出た日、4人で2回目を食べに行ったこともありました(もう時効だよね!?)。

不思議とケンカはしなかったなあ。

       *       *      *      *      *

私は結局、二年間一度も寮を出たいと思いませんでした。
それはここで出会った人たちが全員、常識と思いやりのあるいい人だったからなのだと思います。家にいるみたいに自然体でいることができました。
何年たっても、変わらずに受け止めてくれる、受け止めてあげられる関係を作ることができて、私は本当に幸せです。

今、寮に残っている二年生は私を入れて三人。さみしくなりました。
寮を出た後の暮らしを想像しようとしても、まだできません。ただ、あの数物科の友達の歌声が聞こえなくなると思うと、たまらなくなります。


最後に、私の好きな寮の風景をそこで作った短歌とともに載せておきます。歌は現在修行中ですので(笑)、上手い下手は気にしないでください。。私の感じた景色、雰囲気を、少しでも感じていただければと思います。

私のともだち。
大きなポプラの樹


風が吹き枝たわみつつ億万のひらめく青葉みな輝けり(06、5月)

寮の坂道


ゆく秋を送り出さむとする風に腕(かひな)を伸べてわれは触るるも
(07、11月)

夏草の香をわが胸に吸い込みてむせぶ濃度の夏来たりけり
(06、6月)


屋上の朝焼け


屋上の夕焼け


2008,03,09, Sun 23:55
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