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と言うわけで、いち早く読んでしまいました!!
えっ前日じゃん、って?
それは企業秘密ですよ。ブログ部長の特権です。
今はネタバレしたくて仕方ないです、うふふふふ。

それはさておき。
画像を御覧下さい。これはアレです。読者の皆様方が多分、イメージしているであろう

「大学に入ったらあのぐにょぐにょ~ってした
ミミズがのたくったようなヤツ読まないといけないのかなぁ?!」


というようなものです。フフフいい勘してますねぇ。

「これって全員読まないといけないですか?」

はい、そうなんです。一年生は、入学するとすぐに「古典演習」という科目を全員必修で受けることになっています。

「なんだか難しそう…;;」

と早くも引き気味のアナタ!ちょっと待って下さい。
大学生って言ったってそんなエライもんでもなんでもないんです。
実はこれを読むにも便利なツールがちゃんとあるんですよ。

(続きをクリック↓)




これは『仮名手引』という本です。辞書みたいにちゃんとわかりやすく、あいうえお順にならんでいて、
「あ」ならあに相当する字がいくつか載っています。
同じ「あ」でも、一種類とは限らないわけですね。

慣れないうちは緊張しますが、慣れてくるとクロスワードパズルみたいな勢いで探すのが楽しくなり、
更に慣れれば有る程度は手引きがなくてもスラスラ読めるようになります。
なんて言うとうさんくさいけど、手順は本当に単純なので、脳細胞がピチピチな若い皆様方なら
ガンガン吸収して一月もしないうちにマスターできます。
少し不安は解消されたかな?しかし、

「そこまではわかるけど、なんでそういうの読まないといけないんですか?
私文学好きと言っても、夏目漱石みたいな近代作家が好きで、
古典はそんなに興味がないんですけど…」


なんて気持ちの方もいるのでは。
過去ログを見ればすぐわかるように、私は近代専攻なのでこの気持ちとてもよくわかります。
現に私が一年生の時もそう思っていました。

でもそう思ってしまうのは、まだ皆さんの触れてきた古典の世界が入り口に過ぎないからです。
大学での勉強は、上代から近代に至るまでの、それぞれの時代の扉を叩いて探検を始めるものです。
深く潜っていくといっても、難しい事をしにいくのではありません。
「文学」という実体を持たない相手を、自分なりに掴んでいくための手がかりを探しに行くのです。


祇園精舎の鐘の声…の冒頭で知られる『平家物語』。
中高生時代教科書で「那須与一」あたり等に触れてきたと思いますが、
皆さん、『平家物語』という作品はこの世に一つしかないと思っていませんか?

実は違うのです。ひとえに『平家物語』と言っても、実際は様々な形を持っています。
目で読む為情趣たっぷりにに作られたものから、耳で聞いて躍動感溢れるように作られたもの等、様々です。
同じ木曽義仲でも、本によって描かれるキャラクターが異なってきます。
「先帝身投」なんかで安徳天皇が入水させられるシーンなんかで涙した人もいるかと思いますが、
あのシーンでもセリフから登場人物の扱いに至るまで、本によって様々な描かれ方をしています。

どうして一つの作品なのに様々な形を持つのでしょう?
それはまだ印刷のない時代、文学は口で伝えたり、手で写したりして広められていました。
コンピューターではないのは昔の人間も一緒。
語っている途中や、写しているうちに完璧に写せることはないので、どんどん変容していきます。
さらにそれが感性の強い人なんかがやっていた時には
「私だったらこうする!」「ここはこうした方が享受する側にウケる!」等、作者の様々な思惑が介入し、
どんどんアレンジされたり、有る部分だけクローズアップされたり、また削られたり、さらには追加シーンなど加えられたりもします。
そうしているうちに、同じ作品でも様々な形を持つようになるのです。
また、古典作品は多作品ともそれぞれリンクしていたりもします。
過去の作品のシーンを踏まえて、それを匂わせる小細工が作品に仕掛けられていたりね。


「っていうか、それパクりじゃん。」

セイセイセイ!!
アナタ、古き良き時代に著作権なんてものありませんよ。そこがまた面白さの一つなんですよ。
古典を勉強する楽しみ、それは『平家物語』でも『源氏物語』でも、その作品の持つ
様々な形に触れて、自分の中での作品自体に新しい彩りを加えて深みを増していく事です。
描かれる視点が変われば、読む側の視野もまた広がります。
様々な作品に触れててくために、このクネクネをマスターする必要があるのです。
そう、これも先日の話ではありませんが、文学を楽しむ為に覚える魔法の一つなのですね。

近代文学ではなかなかこんなこと許されませんよ。
まだ明治~昭和の前半くらいならボチボチあるかもしれませんが、基本的にはアウトですよね。
だってドイツならぬインド留学した留学生・林森太郎が現地妻とできちゃった結婚、なんて話書いた日にゃー
「パクリだ!」「冒涜だ!」etc誹謗中傷、荒らしの嵐です。
そう思うと古典とはなんて柔軟で楽しき世界なんでしょう。

文学はひとつの形を持たない。
本当の意味での正解はないのです。
「クネクネ読まないとなんだ…」
とクヨクヨしちゃったアナタ!何を悲しむ必要があるのですか。
まだまだアナタの知らない文学の世界を楽しむ要素はいくらでもこの世に転がっているのです。
なんだかワクワクしませんか?



え、NANAのネタバレの方が気になるって?!ムキー。
どうでもいいですが私個人はいい加減矢沢あいの作者ひとりよがり展開に疲れたところです。
2005,12,14, Wed 22:03
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