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最近サークルの友達に誘われてmixiというものに今更入ってみた私です。異空間過ぎて私には分からないことだらけです。そんなmixiの中で「キレるバトン」(お題の言葉を自分の口調に変換していく)とやらがありました。で、一応私も挑戦してみたんですけど……数分で嫌になった。何だかすごく疲れる。

怒るのって苦手です。
体力も気力も消費しちゃうのに、相手に真意が伝わらないで恨まれたり、もっとヒドイ場合は流されちゃったり。
わりに合わない面倒な作業だな、って思います。
でも、それでも相手に働きかけたいときってありますよね。
相手も自分も嫌な気分になっても、怒ること、怒られることがキッカケになって今までより深く付き合える。
そういうこともありますよね。
怒ってくれる人、怒ってあげられる人が自分の周りにいるのは、多分とても幸せなことだと思うのです。
だから、もっと他人にちゃんと怒ることの出来る人になりたいなぁ。

そんな話はともかく。私もたまには中古以外の文学を話題にしてみようと思います!
以前ともよちゃんが記事を書いてた中国思想演習という授業の話です。
ともよちゃんが書いてたように、この授業では『老子』を読んでいます。
今日は下篇徳経の後半にある章をいくつかやりました。
なかでも面白い指摘が出てたのが、79章。

 深く結ばれた怨みごとを和解させたところで、〔当事者の間には〕必ずしこりが残るものである。どうしてすぐれたやり方といえようか。そこで聖人は、〔債権者として〕割符の左半分をしかと握っているが、しかし、それでいて相手(債務者)を責めることはしない〔自ら責めずとも、非があれば天が責めることを知っているから〕。諺にも「有徳の人は割符を管理するだけ、無徳の人はもっぱら取り立てる」という。天のやりかたにはえこひいきがなく、いつも善人の味方をする。
(楠山春樹『「老子」を読む』PHP文庫、2002)


最後の太字にした部分について「いつも善人の味方をする、っていうのはえこひいきとも取れる気がするんですけど…」と言った子がいて、それから皆で
「いや、善人の味方っていうのは悪い人は見逃さないっていうニュアンスであってー」
「でも善人か悪人かという判断は、その人の視点によって変わりますよね」
「そもそも『老子』で「善人」って表現するのが珍しい気がするんですが…」
と、善人って何だよ?という議論に。
あー何か質問してる人の言いたいことも発表者の言いたいことも分かる気がするんだけど、うーん。と一応考える私。
善人善人善…あれ?
前期に自分が発表した2章を見返してみた。

世の人はすべて、美しいとされるものを美しいと思い込んでいるが、〔立場が変われば〕それは醜いものである。善とされるものを善であると思い込んでいるが、〔立場が変われば〕それは悪なのである。…(後略)

「…あれ??2章でこう言ってたのに、79章で「善人」って言葉をぽろっと使っちゃうのは何だか変ですよね…」

何なんだこいつは…という話になるわけですが、ひとつの仮説として
79章に出てくる最後の一文は後世付け加えられたものではないか
ということが考えられます。テキスト(前掲書)には『老子』という書物について次のような説明があります。

ところで近年の研究は、その内容から推して『老子』を一人一時の作ではないと見る。…(中略)…現行本の成立に至るまで約百五十年の歳月を閲したと考えられる『老子』には、当然のこととして旧新の思想が入り交じっている。特に戦国時代は思想界が活況を呈していた時期であって、『老子』の思想は他学派にも大きな影響を与えているが、逆に後出の文には他学派からする影響も見出される。

つまり、今私達が読んでいる『老子』はいろんな人の手が加わっているから、よくよく読んでみると
「え、前と言ってること違うよね?」
という訳の分からない部分が出てきてしまうらしいのです。むずかしー!誰だよ書き足したやつ!!

『老子』は正直難しいです。ただでさえ柔弱謙下とか無為とか言ってることも難しいのに…。
でも、前期から付き合ってきただけあって前より少しは親しめるようになってきた気がします。
それに一人じゃなく皆で読んでいるから気づくこともありますしね。今日の善人の所なんかも、私は(前期2章を担当していたくせに)「ふーん」と思っただけで全然ひっかからなかったので指摘してもらえてよかったです。

よし、この調子で後期も頑張ろう…。来週は目白祭期間で授業ないけど。

2008,10,08, Wed 23:23
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