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Periplaneta fuliginosaというのが、黒ゴキブリの学名らしい。

先日、家の中に見たことのない虫がいたので窓の外へ逃がしてやった。
するともう一匹、同じのがいたので今度はティッシュでくるんで駆除した。
同じのが複数いると言うことは、どこかで何かが孵っている可能性がある。捨てる前によく観察して、「これがもし、ゴキブリだったら怖いな」と思った。そして早速ネットで調べてみた。

予感的中、黒ゴキブリの幼虫だった。
幼虫といっても、彼らは成虫とほぼ同じ姿をしている。
まだ体長は5ミリほどで羽はなく、動きも遅い。今のうちに根絶すれば増える心配はないだろう。早速駆除剤を買ってきたし、大丈夫ダイジョウブ。

ゴキブリは、3億年も前から生きてきた昆虫だそうだ。
平安時代に、「御器かぶり」と呼ばれていたのが語源らしい。昔の人も手を焼いたであろう、このかわいげのない虫…。

私は、今、春に出現する新たな脅威と、対峙したのであった。

  *  *

上の文を書いたのは、4月の終わりころだった。

時は流れて、今は6月も半ばである。
あれ以来、一匹のゴキブリもでない、平和かつ快適な生活が続いている。

寮生活を始めたとき、私は初めてゴキブリを見た。私はもともと虫好きな少女であったが、こんなにかわいくない虫はみたことがなかった。黒くて、扁平で、てかてかしている。何より予測のつかない動きをするところが嫌だ。

それでも、夜更けの廊下にコソコソ動く影を見つけたときは、しゃがみこんでよくよく観察したものだ。何しろ信州では見かけない虫なので、物珍しいのである。こっちが動かないと、向こうも私に危害を加える気はないらしく、じっとしていた。長い触覚が四方に動くところをみると、やはりかわいくない。

さて。寮には私よりも北から来た学生もいたので、イニシャルGに恐れおののく人は少なくなかった。
静かな夜。ある部屋から「ギャー!」という悲鳴が聞こえると、九州や関西出身の学生が数人、どうしたどうしたと集まってきて、もうちょっとした事件である。そして彼女たちは、無抵抗な学生の部屋に出没した昆虫Gを、
勇ましくも新聞紙や雑誌でばしばし叩くのである。

あれだけ大きな虫をたたきつぶせば、あとで床を拭かなければならない。そんなことをするより、スプレーか何かでしゅーっとやって、さっさとゴミ箱へ捨ててしまうのが一番だと思う。しかし、豪気さとGへの憎しみをもって、「たたきつぶす」行為にこそ、西日本出身者たちのこだわりがあるらしかった。
得意げにGをやっつける彼女たちは、なんだか頼もしく、輝いて見えた。


…と、こんなことを懐かしく思い出すのも、一人暮らしになればこそ、だ。
今や、勇敢にGを退治してくれる西日本勢はいない。この部屋にGが出没すれば、彼らと戦うのは私1人である。多勢に無勢だ、四面楚歌だ。
だから私は、「部屋に入れず、増やさず、呼び寄せず」の原則を守ることにしている。第一に進入経路を予測し、これを絶つことである。第二に、ゴキブリなんとか的なものをセットして、増加を防止するのである。さらには台所をきれいにして、彼らを呼び寄せないことである。これらを守って、去年私は、Gゼロ生活を実現した。今年もこの調子で、イニシャルGとは無縁の生活を送っていこうと思っている。


最後に、北の方にお住いの高校生のみなさんにご忠告。
東京にはGがいる。…覚悟のうえ、上京されたし。 

2009,06,20, Sat 20:15
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