長野に帰っております。
9日に演習の発表とレポート提出があって心配だったのですが、演習は翌週に延び、ホッ…と安心しての帰省です(^‐^) その演習というのが、実は今日の記事に関係があるのです! それは芥川龍之介の演習。『奉教人の死』『秋』『南京の基督』『湖南の扇』から好きな作品を選んで発表する、というものです(私は『奉教人の死』を選びました) これをきっかけに、私の芥川熱に火が付き(笑)、授業が終わった後、毎日図書館が閉館するまで全集を読み漁る日々を送っています。そんな私の芥川熱を察してくれた父は、小説『河童』舞台にもなった、上高地行きを計画してくれました。そんなわけで今日は上高地へ行きました! お天気にも恵まれ、穂高の山々がキレイに見えました♪ 父は若い頃穂高に登ったことがあるそうなんですが、道に迷って危うく遭難しそうになったとか、ならなかったとか(笑) ちなみに母も穂高にはチャレンジしたらしい。山好きの両親です(^^) これぞおしどり夫婦、なんつって。ホンモノのおしどりちゃんもいました~ こっちがだんなさん。 こっちが奥さん。 奥さんおしどりがエサに夢中で、どんどん遠くに行ってしまうので、だんなさんが小刻みに鳴きながらあとをついて回っていて…なんだか笑っちゃっいました。そんなわけで、残念ながら夫婦一緒の写真は撮れていないのです(エサというのはどうやら自然の水草のようで、動物にエサをあげている人がいたわけじゃありません。野生動物にエサはあげちゃいけませんぞ。念のため)。 温泉にも入りましたよ! 浴場には上高地で詠まれた歌があって、とても素敵でした。ピックアップして載せるので、みなさんも好きな歌を選んでみては?? この谷をかきうづめたる雲霧の裾べに冷えて水の素青さ 太田水穂 いわけなく涙ぞくだるあめつちのかかるながめにめぐりあひつつ 若山牧水 白雲のおりゐる谷に駒鳥の鳴く音間遠に朝のしづけさ 島木赤彦 この部屋を受けもつをとめものごしも朗らかにして山の話す 斎藤茂吉 …ちなみに私は島木赤彦の歌がいいなーと思いました。 「ゐる」という言葉、「間遠」という言葉に時間と空間の厚みがあって、歌のなかに立体的な世界が立ちあらわれるように思います。白雲の中から駒鳥の鳴く音が響くのが聞こえる。それほどに、静かな朝なんですね。清々しく、どこか神秘的な自然の風景が美しいな、と思います。 こんな歌を読んだあとに、自分で歌をつくるとウーン…って感じなんですが、何首かはまあまあ…の出来だと思うので、しばらく練ってから歌会に出してみようかなー、と思います。 (ちなみに島木赤彦は長野県の歌人。いつか諏訪の記念館に行くぞ♪) さて!話がそれました。本命の河童橋は、こんな感じ! そこまで混んではおらず、景色を堪能できました。 芥川が来たころは上高地に行くのはとても大変で(峠があるから)、今のように観光客でごった返す情景はなかったようです。 青色に澄んだ清流、清涼な空気、雄大な山々は、この世のもの思えないような不思議な美しさを、彼に印象付けたのかもしれません。 思いのほか暖かで、歩くにはもってこいの一日になりました。 野鳥やカエルちゃんの姿、自然の景色を楽しむことができ、とてもよかったです。ちょっと陽に焼けちゃったけど、楽しかったので気にしな~い(^^) 来週は山梨県立文学館へ、芥川さんに会いに行きたいと思います! みなさんも引き続き、楽しいGWをお過ごしくださいね。では!
2008,05,03, Sat 18:43
【 文学・語学::近代文学 】 comments (x) trackback (x) |