先日、私は所属する吹奏楽サークルの演奏会を、無事に終えました。
私たち3年生は就職や進学など、それぞれの進路へ向けて活動するために、この演奏会をもってサークルを引退します。 はい。私も、引退してきました。 練習は、半年前(夏休み)から始めます。 普段は、週5回×4時間です。 直前1か月は、毎日あります。 で、本番はたった1回きり。 2時間のステージです。 * 私は、【チューバ】という金管楽器で最も大きく、低音域パートの楽器を担当していました。 重さは10キロ以上あります。 運ぶために、楽器を背負うと後ろに倒れそうになります。 その姿は、通り過ぎる人々にジロジロ見られます。 山手線では煙たがられます。 筋肉もりもりです。 …話しを戻します。 私は、今回の演奏会の曲目で、どーしても吹けない1小節がありました。 その1小節とは、バンド全体がしーんと静まり、チューバしか演奏しないというところでした。 テンポが早く、リズムが細かいので、指がまわりません。 私の、普段からの、技術不足でした。 それまでは、同じパートの他3人に頼りっきりだった私。 ある日、他のメンバーが全員欠席で、私1人で合奏に出なくてはならなくなりました。 ピンチ…! いつも隣でなっているはずの、私と同じ音が、ない。 バンドの低音域を支える音は、私の音しかない。 そう考えると、すごい緊張とプレッシャーが私を襲ってきました。 例の、チューバだけの1小節。 私…、吹けませんでした。 何も音のない1小節が、合奏部屋に流れます。 次の小節から、新しい楽器が吹いてきます。 私…、吹けませんでした。 これほどまでに自分を惨めに感じた瞬間はありませんでした。 技術不足なのはわかっていました。 では、それを克服できるよう、今まで私は練習してきたのか? …もっと練習できたはずだ。 …もっと必死になれたはずだ。 そしたら…もっと吹けるようになってたかもしれないのに。 私は、私の音を、他の3人の音でごまかそうとしていました。 中学から始めた吹奏楽。 1人1人がしっかり演奏することが大事だと、身にしみるほどわかっていたはずなのに。 10年間続けた吹奏楽で、その最後となるステージで、私は逃げようとしていたのです。 ずるい私。 結果として、みんなの前で、恥をかきました。 同時に、その1小節を吹けないチューバパートを、みんなが不安に思っているのがわかりました。 その1小節が決まらなければ、曲全体・演奏会自体を台無しにしてしまいます。 みんなに示しがつくように、みんなを不安にさせないように。 それからは、死に物狂いで、本当にたくさん練習しました。 たった1小節を、ずっとずっとずっと練習しました。 * 本番の時のこと、よく覚えてないんです。 ものすごい集中力で、練習の成果を出そうと気を張っていました。 気づけば、アンコールを吹いていました。 本番を録音したものを聴いてみると、その1小節、成功しているように聴こえます。 「やってやったぜ!大成功!」っていう感じではないけれど。 あの時の挫折がなかったら、私は一生、この演奏会に対して、後悔を引きずっていたかもしれません。 もっと怖いのは、その後悔すら感じずに、これからものうのうと生き続けてしまうことです。 挫折した自分に気づいたからこそ、本気で練習して良かったと、今では笑って言うことができます。 本気になること。 熱くなること。 しばらく忘れていた感覚を取り戻すことができました。 就活も、ハートは熱く、頭はクールに、やってみます。 挫折? …ばっちこい!!!って感じです。 私は、それは努力で乗り切れるものだって知ってるからです。
2010,01,23, Sat 23:06
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