最近、私が読んだ詩を紹介します。
**** 「あなたに」 書物のなかに海がある 心はいつも航海をゆるされる 書物のなかに草原がある 心はいつも旅情をたしかめる 書物のなかに町がある 心はいつも出会いを待っている 人生はしばしば 書物の外ですばらしいひびきを たてて くずれるだろう だがもう一度 やり直すために 書物のなかの家路を帰る 書物は家なき子の家 (寺山修司『寺山修司少女詩集』角川文庫より) **** 最近、図書館で読んで、すごく好きになった詩です。 書物を読むとき、 人の心は自由で気まま。 でも、日常生活ではムカつくこと、落ち込むこと、失望することが たくさんあるかもしれない。 そんなときは、 深呼吸をして、 本棚のお気に入りの本に手をのばしてみる。 あのときの、わくわくした感じ。 あのときの、しっとりした感じ。 あのときの、ひやっとした感じ。 思い出すかもしれない。 日常生活で起きている現実的なことと、 私の心のなかで起きている、自由で気ままな感情の波とを、 天秤にかけてみる。 私の心のほうが、壮大で豊かなことに気づく。 現実の問題は、とてもちっぽけなことだって気づく。 書物は私の心のよりどころ。 …こんなことを考えさせてくれる詩で、お気に入りです。 私は出版業界を中心に就職活動をしている最中です。 こんな本をつくりたい、こんなことがしたいって伝えられたらいいなって思っています。
2010,01,14, Thu 20:30
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