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10月のある日。
深夜11時半を回ろうかというときに、事件は起こった。
炊飯器をセットし、お鍋を仕舞おうと、流しの下の扉を開けたらそこには

黒光りする何か がいた。
光に反応したソレは、僅かにカサコソっとうごめいた。

 う、ううう、うぎゃーーーー!!!

声にならない叫びをあげながら、私は反射的に扉を閉め…
改めてそっと開いた。

そこには、立派にお育ちになった、イニシャルGがいたのだった。


 イニシャルGの恐怖、再び!!!


※イニシャルGと私の関係については、過去の記事を読んでください…

       *     *

「10月も終わりに近づいているのに、こやつ、信じられん!」

激しい動揺を抑えながら、私は文字通り、キッチンを右往左往していた。
そして、今までこいつと同居していたという事実に、改めてぞっとなった。
とにかく。さしあたっての問題は、こいつをどうするかだ。

「た、叩くの?叩くのか、わたし?!」

これほど寮の西日本勢を恋しく思ったことはない。が、戦うしか他に道はない。
私は新聞紙を丸めて、しっかりと手に握りしめた。
扉の向こうにはGがいる。対決を脳内シュミレーションして、

 「いざ、いざ、いざ~~~ッッ!!!」

と、いこうとしたが、やはりムリだった。叩こうとした瞬間、飛びかかってきたら、と考えただけで腰が引けてしまう。
大体私は、ゴキブリの飛ぶ姿を見たことがない。聞けば、バタバタしていて、どこをめがけて飛んでくるか予想がつかないというではないか。そりゃそうだ、あんなおっきいもん。もしかしたら顔めがけて飛んでくるかもしれないじゃん。その後ったら怖くて想像できないよ。

…結局、私は深夜のコンビニへと走った。
ゴ●ジェットは予想外に高くて、こんなにするの?!と腹立たしかったが、Gと一つ屋根の下で眠れるわけがない。背に腹は代えられないのだ。私は、堂々とレジのお兄ちゃんにゴ●ジェットを突きつけたのだった。

    *     *


家に帰って、例の扉をおそるおそる開けると、やはり奥の方に黒い影が動いている。
ひいいい!と思いながらも、噴射がかかっては困るものをどけていく。
あ、ついでに窓も開けておいた方がいいかも、と、その場を立って、窓を開けて換気扇を回した。

さあ、成敗してくれよう!と再び開けたら、


しまったぁあああ!!!逃げられたああああ!!


イニシャルGは、そこから忽然と姿を消していたのだった。
…彼はどこへ消えたのだろうか。


イニシャルGの行方は、誰も知らない。


【追記】
これを読んだ、西日本出身の母は「これは笑えない話だ」と言っていた。
なんで、と訊くと、「関西人からしたら、これは何を逡巡しとんねや、アホちゃう、って話なんだ」ということである。こんなにモタモタしていたのでは、ヤツに逃げられて当然だということらしい。追い打ちをかけるように、あれはひっくり返すと実はこうなっているとか、卵を産むと大変なことになるとか、もうおぞましい話をするので即刻電話を切った。
西日本の人々はなぜGを叩けるのか。それは、彼らを怖がっている暇なんて無い、切迫した場面に幾度と無く遭遇しているからなのだろう。阪神ファンが巨人を目の敵にするように、それは、見つけたら叩かずにはいられないほど、憎むべき敵なのだろう。…私もGに対して、もうちょっと免疫をつけた方が良さそうだ。

2009,11,06, Fri 23:50
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